マイナースポーツ業界の「キャリアパス」を考える。
スノーボードというジャンルで考えてみると、
スノーボードというジャンルが出来上がってきて約45年。
マイナースポーツや新しいジャンルは、まだ1世代またいでいない。
だから、実際にどのようなキャリアを形成していくのが一番いいのか分からない状態。
せいぜい、全盛期に英才教育で活躍してきた選手が現在20代~30代。
そして、今の新しい10代の選手が控えている。
私の上の初期の世代は、違う業界にはじめはいて、スノーボードを知り業界を作った人達。
この世代を、大人になった状態から業界に入ると定義します。
私の世代は、高校生の状態で業界に入る世代。
現在は、3歳ぐらいからはじめる世代。
ここで分かるのは、初期の世代はいろいろな業界を見て、就職なども経験したのち、マイナースポーツに関わるようになっている。最近では、低年齢化が進み、気がついたらスノーボードをしていた。というようなスノーボードの業界しか知らない子供達が増えていく傾向にある。
英才教育の選手になると、学校も行かずに選手一本で生きていく選手もいる。
ここで問題になってくるのは、今後のキャリアをどう形成していくか?という問題。誰も体験したことのない世代に突入している。
私の世代は、高校・大学に通いながら選手をしていたのに対し、
今の世代は、中学校すら忙しくて通えない選手も出てきている。
< マイナースポーツの問題点 >
問題点1は、一生分を選手時代に稼げない。
問題点2は、選手生命がどんどん短くなる。
一生分稼げない上に、30代前半・もしくは20代後半には引退になる。
最近の流れ出いくと、20代前半、10年後は、10代後半でも引退するぐらいの成長スピード。
全く他の世界を知らず、スノーボードの技術しか習得せずに世の中に放り出される選手も出てくるとおもう。
最近は、10代の選手や20代の選手とも少しずつ交流をしているが、もし、スノーボードのスキルをとったらどのぐらいの能力が残されているのか?と考えた時にもの凄く疑問が残る。
特に、マイナースポーツの多くはアメリカナイズされて育っていく。でも、放り出された先は、日本的考えを持った場所が多いのが現実。なぜなら、アメリカナイズされいても、英語が堪能で、滑る技術がなくてもすぐにでも海外でやっていける選手は少ないから。となると、日本で業界内の仕事をするか、業界外で仕事をする道になる。
一生業界内で仕事をするならまだ能力を活かせるが、他の業界の一般的な企業に入っていくのは凄く難しくなる。
私自身、30歳から業界外で挑戦するというキャリアパスを決め、本当に大変な思いをしている。スノーボード業界なら、アメリカナイズされた業界なら当たり前なことも、業界外では、全く通用しない。どちらかというとマイナスにはたらく場合の方が多い。
アメリカナイズされた業界なら、握手などが基本となるが、日本の一般的な形になれば、お辞儀や日本的礼儀、作法もやはり必要不可欠となる。私も若い頃は、アンチ日本的考えだった。今は、日本的考えもできる上で、アメリカナイズされた考え方も持っていることに価値があると思うようになった。
実際に日本的礼儀ができるのにやらないとの、全くできないのは違う。私もこの辺りは、現在勉強中でもある。高校で業界に入り、大学も通いながらでもこのレベル。もちろん自分のレベルが低いこともあるかもしれない。
でも今後は、学校も行かない選手達が、選手を引退した後にどういうキャリアパスを進んでいくのだろうか?中には、学校に行かないけど人並みはずれた能力をもつ選手もいると思う。そういう恵まれた選手はなかなか少ないと思う。
残念ながら、スノーボードの技術以外のスキルがもの凄くたけていて、頭のきれる若い選手はまだそんなに多くない。そういったことを教える人も少ない。もちろん、一生分稼げるメジャースポーツならありだと思う。でも、確実に引退があり、引退後は全く違う能力で生きていかなければならないマイナースポーツでは、このやり方では、リスクがありすぎると思う。
もちろん、「子供の夢を叶えてあげる」という考え方は素晴らしいし、私も大賛成。でも、実際は残りの人生の方が長いし、年齢的に周りと本気で比べられるようになるのは引退してからという事実もある。
若い選手が、40代、50代になったらどんな道を歩めるようにできているか?そういったこともマイナースポーツ業界がこれから作っていかなければいけない道だと思う。
「業界を盛り上げよう!」という話は良く聞くが、「キャリアパスを作っていこう!」という話はあまり聞かない。もちろん、頑張っている人達もいる。業界が盛り上がらない原因は、もしかしたら、キャリアパスが形成できていないからではないだろうか。キャリアパスさえしっかり形成されていれば、若い世代がもっと全力投球し続けることができると思う。
アメリカのメジャーリーグには年金制度がある。
●メジャーの選手登録が5年以上あれば資格が得られる
●10年以上の選手登録があれば満額受け取れる
●年金支給期間は60歳から死亡するまで
●年金受取額は約2,000万円
数億を越える契約金に年金まで用意されている。解説者やタレント、監督になって活躍する人もいると思う。
こういったメジャースポーツ業界を模範として業界の仕組みを作っていくことが一番業界を繁栄させていくことになると思う。
今日は、長くなりましたがマイナースポーツ業界のキャリアパスを考えるでした!
Ichigo
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